フランスのE・ロスタンが生んだ人気の名戯曲の映画化。詩才あふれる学者にして天下無双の剣客でありながら、人一倍大きな鼻を持つが故にコンプレックスを抱くというドラマティックな主人公役を、本作では名優ドパルドューがはまり役で鮮やかに好演。第43回カンヌ国際映画祭で男優賞などに輝き、第63回アカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞。監督は「ボン・ヴォヤージュ」などのJ=P・ラプノー。 1640年のブルゴーニュ。詩人・哲学者・剣客など、多芸多才で知られるシラノ・ド・ベルジュラックだが、人一倍大きな鼻を持つが故にコンプレックスを抱き、従妹のロクサーヌをひそかに愛しながらもその胸の内を彼女に明かせない。やがて彼女が優男のクリスチャンを慕っていると知ったシラノは、自分は身を引いて2人の仲を取り持とうと、文才に欠けるクリスチャンに代わって、情熱的でロマンティックな恋文をロクサーヌに宛てて懸命に書き綴り出すが……。

ギリシャの美しいリゾート地、カロカイリ島。小さなホテルを営む母親ドナのもとで育ったひとり娘ソフィに恋人スカイと結婚する日が近づく。自分の父親を知らないソフィはこの機に乗じ、自分の父親である可能性が高い男性3人、建築家のサム、銀行マンのハリー、冒険家のビルに、自分の結婚式に出席してほしいと手紙を出す。そしてそれを読んだサムたち3人がカロカイリ島を訪れる。

ウォーレン・ベイティが製作・初監督・脚本・主演の4役を手がけたコメディー。アカデミー美術・装置賞受賞。 前途有望なプロ・フットボール選手が交通事故で即死するが、それは天使のミスによるものだった。困った天界は彼の魂を殺されたばかりの若き実業家の中に送り込む。全く新しい人物となった彼は、再びフットボールの世界に乗り出すが……。

1930年代、大恐慌下のアメリカ。身寄りのない少女アニーは、児童養護施設に暮らしながら、いつか両親が迎えに来ることを信じていた。そんなある日、施設に大富豪ウォーバックスの秘書というグレースが現われる。ウォーバックスは、世間から金の亡者と批判されがちな悪いイメージを改善するため、週末に施設の子どもをひとり屋敷に招こうというのだ。グレースは、一目見るなり気に入ったアニーを招待客に選ぶ。

とある町の消防団長C.D.は、並外れて大きく醜い鼻を持っていた。それがコンプレックスとなって、彼は女性との恋愛にはいつも消極的。ある日、そんな彼が、町にやって来た美人天文学者ロクサーヌに一世一代の一目惚れをしてしまう。しかし、C.D.の部下で二枚目のクリスも彼女に熱を上げてしまったから事態は複雑に。お人好しのC.D.は、クリスのために自ら愛のキューピッド役を買って出る。