ソマリアの遊牧民家庭で生まれ育ったワリス・ディリーは、13歳で結婚させられそうになったことを機に家族のもとを離れる。砂漠からロンドンへたどり着き、路上生活を送っていた彼女は、一流ファッションカメラマンに見いだされショーモデルに転身。やがて世界的トップモデルとなるワリス(リヤ・ケベデ)だったが、しきたりで幼いころに受けた傷に今も苦しめられていた……

小学5年生の少女トモは荒れ放題の家で母親ヒロミと暮らしていたが、母親は男を追って家出してしまう。ひとりになったトモは前にも頼った叔父マキオの家に向かうが、そこで彼女を出迎えたのは叔父の美しい恋人で、トランスジェンダーの女性リンコだった。リンコは綺麗に部屋を整頓し、美しい彩りのおいしい手料理をトモに振る舞う。トモは家庭のぬくもりや優しさを与えてくれるリンコに、戸惑いながらも次第に信頼を寄せていき…。

深い森の中にある閉鎖的な学校“エコール”で暮らす幼い少女たちの生活と、外界への旅立ちを描いた美の寓話。19世紀ドイツの短編小説を、『ミミ』の女流監督ルシール・アザリロヴィックが独自の世界観で映像化。個性的な学校の生徒役には素人の少女たちが起用され、マリオン・コティヤールとエレーヌ・ドゥ・フジュロールという若手実力派女優2人が脇を固める。思春期前の少女たちの無垢な美しさをとらえた耽美的な映像が余韻を残す。 <あらすじ> 高い塀で外界と遮断された森の中の学校に、6歳の少女イリス(ゾエ・オークレール)がやってくる。そこでは6歳から12歳までの少女たちが年齢を区別するリボンと白い制服を身につけ、ダンスと自然の生態を学んでいた。やがて、男性のいない女性だけの閉ざされた世界にイリスは順応していくが、1人の少女が脱走を図り……。

ノルマンディーの美しい村でパン屋を営むマルタン。毎日の単調な生活の中で文学だけが想像の友、愛読書は「ボヴァリー夫人」。ある日、向かいに英国人のチャーリーとジェマ・ボヴァリー夫妻が越してくる。自分の作ったパンを官能的に頬張るジェマに魅了されたマルタンは、ジェマが年下の男と不倫するのを目撃。このままでは彼女が“ボヴァリー夫人と同じ運命を辿るのでは?”と、小説と現実が入り交じった妄想が膨らんでいき・・・。