容姿は冴えないが天才的なセンスをもつ無名のミュージシャンであるウィンスロー・リーチは、誰の後ろ盾もなく自分の曲を懸命に売り込もうとしていた。その最中に無名で駆け出しの女性歌手フェニックスの才能を見出し、ともにその将来を夢見る。だが間を置かず、大手レコード会社「デス・レコード」社長のスワンに曲を奪われ、美しい彼女は身体を奪われかけ、自身は無実の罪で投獄される。獄中でスワンが自分の作品に醜悪なアレンジを施し、大々的に売り出そうとすることを知ったウィンスローは激怒し、脱獄してレコード会社に乱入するが、警官に制止された際、誤ってプレス機に頭を挟まれ、顔と声が潰れてしまう。

英国の作家、ニック・ホーンビィの同名ベストセラー小説に惚れ込んだジョン・キューザックの情熱から生まれた意欲作。自ら製作・脚本・音楽監修を担当している。キャスティングも豪華そのもの。

ウィル・フリーマン。38歳、無職、独身。ノース・ロンドンに住み、亡き父がクリスマス・ソングを一発ヒットさせたおかげでお気楽な印税生活を送っていた。ある日、ウィルは12歳の少年マーカスと出会う。マーカスはシングルマザーの母親フィオナのひどい鬱病に悩んでいた。そんな矢先、フィオナが自殺を図る。フィオナはウィルの素早い対応で事なきを得るが、マーカスは母をこれ以上一人にしておけないと考え、ウィルと母のデートをセッティングする。そうこうしてるうち、次第にウィルのアパートに入り浸るようになるマーカス。生活のリズムを狂わされ困惑するウィルだったが…。