中国・チンタオ。水族館で働く心誠(シンチョン / ジェット・リー)は、妻に先立たれ、21歳になる自閉症の息子大福(ターフー / ウェン・ジャン)を男手ひとつで大切に育ててきた。ある日心誠はガンで余命わずかと診断され、息子の将来を案じて心中を図る。だが、泳ぎの得意な大福が海面に顔を出したため、心誠は息子を預かってくれる施設さがしに奔走するとともに、大福に一人で生きていく術(すべ)を一つ一つ教えていく…。

アニメ『魔法少女ユキコ』に憧れる12歳の少女アリシアは、白血病であった。アリシアの父ルイスは、娘の秘密の願いノートを見つける。ノートを開くとそこには「魔法少女ユキコが着るドレスを着て踊ってみたい」と書いてあった。さらにページをめくると「13歳になりたい」の文字が。死期を悟る娘にショックを受けるルイス。ネットで検索したルイスは、そのドレスが有名デザイナーの手による一点モノの大変高価なコスチュームであることを知る。失業中で金の無いルイスは強盗を決意し宝飾店のウインドウガラスを石で叩き割ろうとするが、頭上から降ってきた嘔吐物により一線を越えずに済む。 嘔吐物は、階上に住む既婚女性バルバラが酒と睡眠薬で体調を崩した末に吐いたものだった。彼女は精神科医である夫のアルフレードに管理されていたが、孤独に打ちひしがれ常に寂しさを抱えていた。バルバラはルイスに詫び、汚した衣服の洗濯のため家に招き入れる。やがて孤独感と寂しさからふたりは男女の関係を持つが、翌日、ルイスは「不倫を夫にバラされたくなければ金を出せ」とバルバラを脅す。バルバラはやむを得ず旧友アダを訪ねて、「一夜の仕事」を紹介してもらい、金を用立てる。

1953年。第二次世界大戦後のロンドン。仕事一筋に生きてきた公務員ウィリアムズは、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る。手遅れになる前に充実した人生を手に入れたいと考えたウィリアムズは、仕事を放棄し、海辺のリゾートで酒を飲んで馬鹿騒ぎするもなんだかしっくりこない。ロンドンに戻った彼は、かつての部下マーガレットと再会し、バイタリティに溢れる彼女と過ごす中で、自分も新しい一歩を踏み出すことを決意する。