消火用ニトログリセリンを300キロ先の火災の現場へ運搬することになった4人の犯罪者。わずかな衝撃で大爆発するという荷を乗せ、道なき道をゆく彼らの姿を描く。ウィリアム・フリードキン監督の傑作サスペンス。

大正7年に東北の農村で生まれた松木とめは、23歳で製糸工場の女工して働き始めた。しかし地主の本田家へ嫁入りさせられ、出征する俊三に抱かれ妊娠する。娘の信子を出産したとめは本田家を出て製糸工場に戻り係長と関係を結ぶようになるが、会社をクビになってしまう。とめは単身上京し、売春を始める。コールガール組織を作るまでになったとめは、故郷から父親と娘を呼び寄せた。

香港返還の1997年に始まり、10年おきの2007年、2017年の3部からなる一家族の年代記。父と娘をめぐる20年の歳月に香港社会の変化が映り込む。プロデューサーはスタンリー・クワン。

夫の転勤で、アメリカからイタリアにやってきた中年女性。夫は出世し、彼女はイタリア駐在総代理人夫人として多忙な日々を送る。だが、家族とのスレ違いから我が子が自殺、彼女は孤独に苛まれるようになる……。イタリア映画界の巨匠、R・ロッセリーニ監督が、女性の目を通してイタリア社会の現実と矛盾を見据えた問題作。

旅芸人チャンセンとコンギルは、横暴な座長の率いる一座を逃げ出して2人で旅へ。やがて2人は、史上最悪の暴君といわれた王ヨンサングンとその妾ノクスの関係を皮肉った芝居を演じて人気を集めるが、王を侮辱した罪で役人に捕らえられてしまう。しかし、王は2人の芝居をおもしろがり、2人は宮廷に住むことになる。やがて王ヨンサングンは芸人コンギルを寵愛するようになり、王の妾ノクスはコンギルを陥れる陰謀を画策。王を取り巻く重臣たちも旅芸人たちを追い出そうとする。また、芸人チャンセンは弟分のコンギルと王の関係について複雑な思いを抱くようになる。そして、華麗な王宮に、愛と嫉妬、陰謀と策略が渦巻いていく。

作家のチャールズ・ディケンズは執筆した小説が売れずに 出版社から契約を打ち切られる。彼は自費出版で作家を続けようと決意し、クリスマス・イヴを舞台に過去・現在・未来を旅する奇想天外な小説「クリスマス・キャロル」の執筆にとりかかる。

戦災で家業のクリーニング店を失った福原家は、父が工場の守衛、母が露店の飴売り、長女も今川焼を売り、苦労の末にようやく店を再開させる。病に伏せていた長男は亡くなったが、父の弟子・木村が店を手伝ってくれることに。そんな矢先、父が他界してしまう。母は2人の娘と幼い甥を抱え、木村の手ほどきを受けながら必死に店を切り盛りしていく。

ミズーリ州南部オザーク山脈の村に住む少女リーは17歳にして一家の大黒柱として、心の病んだ母親の代わりに幼い弟と妹の世話をし、その日暮らしの生活を何とか切り盛りしていた。ある日、地元の保安官から衝撃的な事実を突きつけられる。 とうの昔に家を出て逮捕されていた父親が、自宅と土地を保釈金の担保にして失踪。もしこのまま裁判に出廷しなかったら、リーたちの 家は没収されるのだという。 やむなくリーは、たった一人で父親探しに乗り出すが、ならず者だらけの親族は全く協力してくれず、露骨な妨害工作さえ仕掛けてくる。 “非情な掟”に縛られた村で真実を探り当てることは不可能に近い。果たしてリーは父親を見つけ出し、家族を守ることができるのだろうかー。

第2次世界大戦直後のソ連。強制収容所地帯となった小さな炭鉱町スーチャンで暮らす12歳の少年ワレルカは、シングルマザーの母親への反抗心から悪戯を繰り返していた。同じ年の少女ガリーヤはいつもワレルカのことを気にかけており、彼が窮地に立たされると守護天使のように現われて助けてくれる。そんなある日、度を越した悪戯で機関車を転覆させてしまったワレルカは、逮捕を恐れて1人で町を飛び出す。