日本のはるか南にある離島の那歩島(なぶとう)に、デクこと緑谷出久をはじめとする雄英高校ヒーロー科1年A組の面々が到着する。その目的は、伝説的ヒーローであるオールマイトの後継者育成プロジェクトの一環として、島民の生活を助ける期間限定の校外ヒーロー活動をすることだった。しばらく大きな事件が起きていない島で、彼らは忙しく動き回りながらもどこかゆったりと過ごしていた。だがある日、敵(ヴィラン)たちが前触れもなく那歩島に現れる。

映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンを引き連れ、30年前に人気絶頂の中、忽然と姿を消し、以来公の場に現われなかった千代子の屋敷へ向かった。ようやく姿を現した千代子は、歳は老いても昔の清純な印象を残していた。そして、戸惑いながらも自らの人生を語り始めた。それは、女優になる前、女学生の頃に恋した名も知らぬ男性を、生涯をかけて追い求める壮大なラブ・ストーリーだった。

中世フランスのとある村。ジャンとジャンヌの婚礼の日、領主は貢ぎ物の代わりにジャンヌを犯し、家来達に輪姦させた。村は飢饉だったが、悪魔の力を得たジャンヌは紡いだ糸を売って生計を立て、税金を取り立てる役人になる事ができた。だが、戦争の資金が調達できなかったジャンは左手首を切り落とされ、悪魔つきとして村人に追われる事に。ジャンにも見放されたジャンヌは、身も心も悪魔に委ねて、魔女となった。黒死病が村を襲い、人々は倒れていった。ジャンヌは毒草ベラドンナを使い、人々の病を治すのだが……。 『千夜一夜物語』『クレオパトラ』に続く大人のためのアニメーションの第3作ですが、スケールの大きな歴史絵巻であった前2作とは、ドラマも映像の作りも大きく異なっており、キャッチフレーズも「アニメラマ」から「アニメロマネスク」に変更さています。中世フランスの農村を舞台に、より強烈なエロティシズムと沈痛なリリシズムで、愛する夫のために悪魔に肉体を売った女性、ジャンヌの哀しき物語を描いています。中でも映画の中盤、ジャンヌが悪魔に身と心を委ねた後の、イメージが洪水のように溢れかえるシークエンスは圧巻。 原作は歴史学者ジュール・ミシュレの「魔女」。監督は「千夜一夜物語」「クレオパトラ」でも手塚治虫と組んだ虫プロの主力演出家、山本暎一。作画監督は、前2作も担当した才人、杉井ギサブロー。また挿絵画家の深井国をフューチャーしたイラストレーションは圧巻。セル画テイストを極力排し、静止画の多様、あるいはイラストを動かすといった実験的な手法から、かつてない実験色のアニメーションに仕上がっています。山本監督の情熱と才能が炸裂したフィルムであり、「作家集団」虫プロダクションの集大成です。 アートアニメーションが脚光を浴びている今だからこそ再評価されるべき作品でしょう。

2116年。日本政府は「シビュラシステム」と無人ロボット・ドローンの輸出を開始。実験的導入により、内戦状態だった東南アジア連合SEAUn(シーアン)の水上都市シャンバラフロートは一時の平穏を手に入れた。だが、同連合から日本へテロリストが送られる。シビュラシステムをかいくぐり、中枢へ攻撃を仕掛けようとするテロ一味。そこにはある男の影が落ちていた。刑事課一係の常守朱はシャンバラフロートの捜査へ旅立つ。

ここはDMC(ダーク・ミート・シティ)、犯罪者と貧乏人の吹き溜まり。この街に生まれ育ったアンジェリーノ・通称“リノ”は、ガイコツ頭の親友ヴィンスとボロアパートの一室に同居中。バカで臆病な友達のウィリーも交え、3人で毎日つるんでダラダラ過ごしているが、将来の見通しはない。そんなとき、リノの残念な人生を一変させる出来事が立て続けに起こる。まず、天使のような美少女ルナにひと目惚れ。直後に遭った交通事故のせいで、人間のなかに混じった奇怪な存在の幻覚を見るようになる。さらに、謎の黒服集団や武装警官に命を狙われ、街じゅうを逃げ回る羽目に。ついに絶体絶命の危機に陥ったとき、リノはスーパーパワーに目覚め、あっという間に追手どもを血祭りに上げる!そんなとき、リノは思いがけないところでルナと再会。しかし、それは残酷な罠だった-。

オリジナルビデオアニメが隆盛となった1980年代中盤に、作家性を前面に押し出して製作されたオムニバス作品である。大友克洋は本作ではオープニング、エンディングを担当しているが、短い時間に大友アニメのエッセンスが詰まっている。タイトルロゴの英字は、ディテールいっぱいに構造物が判別できるよう描き込まれた建造物。それが機械として走って来る構図や、オモチャ箱的で遊園地のような中身が丁寧に段取りを踏んで崩壊していく映像など、まさしく『スチームボーイ』の縮図と言っても良い光景がそこにある。他の作家がそれぞれ「ロボット」をお題に独特の世界を展開する中で、大友克洋はちょっと肩の力を抜いた映像主体の短編をつくりあげている。

ギャラクシーポリス本部で服役していた凶悪犯、禍因が脱走した。同じ頃、過去の時間軸に変化が起こり、その影響で天地の体が消えかかってしまう。時間軸を元に戻すべく、天地たちは過去にタイムスリップする。

医療革命後の昭和111年の東京。人間は体内の“ナノマシン”とその管理を請け負う“ネットワーク”が管理する“S.H.E.L.L.”体制に支配されていた。その結果、病気にならず、傷の治療もいらず、120歳の寿命が保障されるが、その極端な社会制度によって経済格差を含むさまざまな問題が起こっていた。