ナショナル・シューズの権藤専務は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう……。
プロテニスの花形選手だったトニー・ウェンディスは、資産家である妻のマーゴとロンドンのアパートに住んでいる。トニーはテニスのツアーのために自宅を留守にしがちだったので、それが不満だったマーゴとの夫婦仲は冷え込んでいた。夫の留守中にアメリカ人の推理作家マーク・ハリディとの浮気に走ったマーゴは、トニーと別れてマークと一緒になる気持ちに傾いていた。妻の浮気に気づいたトニーは、妻と別れるよりも、妻を殺害して資産を手に入れようと考え、緻密な殺害計画を練り上げる。
ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。そして、“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。
レイモンド・チャンドラー原作『大いなる眠り』をハワード・ホークスが映画化したフィルム・ノワールの古典的名作。探偵フィリップ・マーロウを演じるのはハンフリー・ボガート。
1954年、ニュー・イングランドのとある地域にある大邸宅で、ディナー・パーティが開かれる。ゲストの顔ぶれは、上院議員ピーコック夫人、ワシントンのホステスとしてすご腕を発揮している。ワズワース、殺人を目のあたりにしても少しも騒がない無表情な男だ。ある重要人物の未亡人で腹黒い女ホワイト夫人、精神料医プラム教授、上品な官僚グリーン氏。いばりちらしてばかりいるマスタード大佐、セクシーでずる賢く自分の欲しいものを手に入れる術を心得ているスカーレット。他にフランス人メイド、イヴェット、ボディ氏らの面々だ。その夜、パーティーは緊張の中で開かれやがて彼らの秘密が暴かれる。
アラスカ・ナイトミュート。いまの時期は24時間太陽が沈まないこの町で17歳の少女の変死体が発見された。翌日、ロス警察のウィル・ドーマーが相棒のハップとともに応援にやって来る。ウィルは今までの豊富な経験を駆使し、犯人をおびき出す方法を思いつく。思惑通り海辺の小屋に犯人が姿を現わす。しかし、深い霧に犯人を見失ったウィルは誤って相棒を射殺してしまう。自分が射殺した事実を地元警察に告白しそびれたウィルは白夜も手伝って不眠症に陥る。不眠が続いて3日目の早朝、ウィルのもとに少女殺しの犯人から電話がかかってくる…。
1929年、ロンドン。多忙なロンドン警視庁の刑事フランク・ウェバーは、恋人のアリス・ホワイトよりも自分の仕事に関心があるようだ。無視されていると感じていたアリスは、エレガントで行儀のいい芸術家と出かけることに同意する。