花き農家の息子のレオと幼馴染のレミ。昼は花畑や田園を走り回り、夜は寄り添って寝そべる。24時間365日ともに時間を過ごしてきた2人は親友以上で兄弟のような関係だった。 13歳になる2人は同じ中学校に入学する。入学初日、ぴったりとくっついて座る2人をみたクラスメイトは「付き合ってるの?」と質問を投げかける。「親友だから当然だ」とむきになるレオ。その後もいじられるレオは、徐々にレミから距離を置くようになる。 ある朝、レミを避けるように一人で登校するレオ。毎日一緒に登下校をしていたにも関わらず、自分を置いて先に登校したことに傷つくレミ。二人はその場で大喧嘩に。その後、レミを気にかけるレオだったが、仲直りすることができず時間だけが過ぎていったある日、課外授業にレミの姿はなかった。心ここにあらずのレオは、授業の終わりに衝撃的な事実を告げられる。それは、レミとの突然の別れだった。 移ろいゆく季節のなか、自責の念にかられるレオは、誰にも打ち明けられない想いを抱えていた…。

出生時に37秒間呼吸ができなかったために、手足が自由に動かない身体になってしまった女性の自己発見と成長を描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で観客賞とCICAEアートシネマ賞を受賞した人間ドラマ。脳性麻痺の貴田夢馬(ユマ)は、異常なほどに過保護な母親のもとで車椅子生活を送りながら、漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描き続けていた。自立するためアダルト漫画の執筆を望むユマだったが、リアルな性体験がないと良い漫画は描けないと言われてしまう。ユマの新しい友人で障がい者専門の娼婦である舞は、ユマに外の世界を見せる。しかし、それを知ったユマの母親が激怒してしまい……。主人公のユマと同じく出生時に数秒間呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えながらも社会福祉士として活動していた佳山明が、オーディションで見いだされ主演に抜てき。母親役を神野三鈴、主人公の挑戦を支えるヘルパー・俊哉役を大東駿介、友人・舞役を渡辺真起子がそれぞれ演じる。ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督の長編デビュー作。

ロンドンの高級娼婦シモーヌと、その運転手となるならず者のジョージ。ふたりの間にほのかな愛が芽生えて……。『フック』『ロジャー・ラビット』のボブ・ホスキンスらが出演。

原作はイギリスの作家ウィリアム・ゴールディングの同名小説。監督はピーター・ブルック。出演はジェームズ・オーブリーとヒュー・エドワーズ。無人島に漂着した少年たちの、次第に露わにされていく人間の本質を描く。理性と秩序、残虐と狂気の狭間にゆれる少年たちの本性とは。イギリスが原子爆弾の攻撃を受けたため、陸軍幼年学校の生徒たちは飛行機で疎開先へと向かうことに。が、その途中で飛行機にトラブルが発生、無人島に漂着する。救出を待とうとする理知的な少年ラーフと、豚を狩り生き延びようとするジャックとのグループに分かれて対立する少年たち。やがて、苛酷な環境と過ぎ去る時間と共に秩序が乱れてゆく…。少年たちの内に秘めた本能が目覚め、狂気に駆られた凄惨なゲームが始まる。

骨太演出が魅力のジョン・ミリアス監督が伝説のギャング・スター、ジョン・デリンジャーの生涯を映画化した実録ドラマ。1930年代、デリンジャーが銃を片手に銀行強盗を繰り返していた姿を暴力映像満載で描く。

アイルランドの小さな農場で、年老いた母親と2人で暮らす温厚な中年男。ある日、母親が何者かに殺害され、血生臭く過激な復讐劇が始まる。

ふとしたきっかけで知り合った男が仕掛けた愛の罠にはまり、自らの内面に潜むさまざまな感情を目覚めさせていく女。“9週間半”にわたる大胆で官能的な世界を描いた異色のラヴ・ストーリー。

アルゼンチンの田舎に生まれたエバは15歳の時、タンゴ歌手の愛人となって貧しかった家を抜け出した。ブエノスアイレスに住みついた彼女は次々とパトロンを変え、ラジオの仕事から女優、国民的スターへと成長する。エバはやがて、陸軍大佐ペロンと知り合った。彼女は民衆にラジオで呼びかけ、投獄されてしまった彼を助け出し、“アルゼンチンの聖母エビータ”への道を歩き出す……。

恋人と別れて一人暮らしを始めた不動産会社に勤めるスティーブンは、寂しさを紛らわすためにケーブルTVの申し込みをした。待つ事4時間。けたたましいノックの音と共にやってきたケーブルガイは、妙に馴れ馴れしい態度でやたらとサービスのいい変わり者。根がお人好しのスティーブンは、そのケーブルガイの好意を無下に出来ないと受け入れるが、それが彼の悲劇の始まりだった…。