隣室の女性を盗聴しているうちに、想像上の彼女に恋をしてしまう男の妄想と暴走を描くエロティック・ドラマ。『リムジンドライブ』の山本政志が監督を務め、実話をベースにして日常に潜むささいな欲望とエロスを独自の人間観察眼で切り取った。目に見えない恐怖に怯えるヒロインにセクシー女優の蒼井そらが挑み、本格的な映画初主演を飾った。蒼井自身がベッドシーンの演出ほどこすなど体当たりの熱演も見逃せない。

池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の女。ネットカフェで寝泊まりする雅子、シングルマザーの結依、主婦の里枝は気が合うが、お互いを店の名前で呼び合う間柄だ。不満を抱きつつも仕事を続ける中、雅子が送迎車の運転手に吐いた暴言をとらえた盗撮映像がネットに拡散される。だが、それを機に雅子の指名が増えるようになる。

夏のある日、ちひろ(原悦子)は養父・軍治(江角英明)の危篤の報に6年ぶりに帰郷した。自宅は軍治が警官を辞してから射的屋を営んでいた。彼女は店内に入ると店番をしている光一(田山涼成)がいた。彼によれば、軍治は危険な状態は回避したもののガンに冒されており、余命3か月と診断されているという。ちひろは冷ややかな表情だった。彼女の脳裏には6年前の、高校2年生の夏の一場面が蘇っていた。 ・・・軍治は警官の制服姿のまま拳銃をちひろに突きつける。「お前が憎い。こんな女らしく育ったお前をみてると、たった11歳で殺されちまったみゆきが思い出されて・・・」軍治はちひろを押し倒し・・・。