深沢七郎の同名小説の、木下恵介監督作品に次ぐ2度目の映画化。今村昌平監督が、因習により山に捨てられる老婆と、その息子の心の葛藤を描いた人間ドラマ。1983年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞。信州の山深い寒村。いまだ元気に働くおりんだったが、今年、楢山まいりを迎えようとしていた。それは、70歳の冬に皆、息子に背負われ楢山へ捨て置かれるという村の掟のこと。神に召されると喜ぶおりんに対し、息子・辰平は気持ちの整理がつかない……。

大正7年に東北の農村で生まれた松木とめは、23歳で製糸工場の女工して働き始めた。しかし地主の本田家へ嫁入りさせられ、出征する俊三に抱かれ妊娠する。娘の信子を出産したとめは本田家を出て製糸工場に戻り係長と関係を結ぶようになるが、会社をクビになってしまう。とめは単身上京し、売春を始める。コールガール組織を作るまでになったとめは、故郷から父親と娘を呼び寄せた。

隣室の女性を盗聴しているうちに、想像上の彼女に恋をしてしまう男の妄想と暴走を描くエロティック・ドラマ。『リムジンドライブ』の山本政志が監督を務め、実話をベースにして日常に潜むささいな欲望とエロスを独自の人間観察眼で切り取った。目に見えない恐怖に怯えるヒロインにセクシー女優の蒼井そらが挑み、本格的な映画初主演を飾った。蒼井自身がベッドシーンの演出ほどこすなど体当たりの熱演も見逃せない。

衝撃の官能ロマン『花と蛇』の第2弾。主演は前作に続き、杉本彩。杉本ふんする静子と激しい愛に挑戦するのは、遠藤憲一。大物俳優・宍戸錠も出演している。日本古来の春画の世界がスクリーンの中で再現され、スタッフとキャストが限界に挑んだ意欲作。 35歳という年の差ながら、深く愛し合う遠山隆義(宍戸錠)とその妻・静子(杉本彩)。美術評論家である遠山が崇拝する画壇の長老が亡くなった。彼は遠山にCGで描いたエロティックアートの数々を残していた。それを見た遠山は……。