聖書を売り付けて小金を稼ぐ詐欺師のモーゼが、亡くなった知り合いの娘アディと出会う。彼は嫌々ながら彼女を親戚の家まで送り届ける事になったが、ペテンの相棒としてアディと旅を続けるうち、モーゼは父親めいた愛情を感じていく……。モノクロの映像が30年代の雰囲気を巧みに伝える、心温まるロード・ムービー。

侮辱的な表現に頼る“黒人のエンタメ”から利益を得ている世間の風潮にうんざりし、不満を覚えていた小説家が、自分で奇抜な“黒人の本”を書いたことで、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる。

ヴィム・ヴェンダース、31歳の時に撮った長編第7作。白血病で死の不安に生きているハンブルグの額縁職人ヨナタン。彼を殺人にはめ込み、完全犯罪を進めながら危険な友情にはまりこんでいくトム・リプレー。死んだ筈の画家の贋作を書いているポガッシュ。物語は、サスペンスに富む発端の画の競売シーンから、この3人の絡んだストーリーを小気味よいテンポで進めていく。

高知の進学校から東京の大学に入学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。その後、はじめての夏休みに同窓会のために故郷・高知へと帰省する道中、拓はその高校時代を思い起こす。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子の存在を振り返っていく。

ジョージタウン大学を卒業した友人たちは、セックス、給料、キャリア志向を中心とした生活を送っています。カービーはロースクールの学費を稼ぐためにウェイターをしている。ルームメイトのケビンはDCの新聞社で奮闘しているが、スタイリッシュなジュールズに憧れている。ジュールズは憧れと羨望の対象ではあるが、内心では彼女自身の問題を抱えている。おっとりしたウェンディは、サックス奏者で無責任な酔っ払いのビリーに恋をしている。アレックスは、政治家としてのキャリアと、伝統的な家庭生活の外観という、すべてを望んでいる。アレックスのガールフレンドであるレスリーは野心的な建築家で、彼の不倫を知らないが、彼が共和党に忠誠を誓っていることから、彼女はすでに結婚を躊躇している。