速見昇は“ハル”というハンドル名でパソコン通信の映画フォーラムにアクセスする。仕事も恋もうまくいかず鬱屈していた(ハル)に、励ましのメールを送ってきたのは(ほし)という人物だった。互いの実像をわからないまま二人は次第に本音を伝え合うようになる。やがて、(ほし)の住む盛岡に出張することになった(ハル)はそこで会おうと提案するが……。

舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…

元禄14年、江戸城内での刃傷沙汰により、赤穂藩主・浅野内匠頭は即日切腹で、赤穂藩は取りつぶし、一方、吉良上野介はおとがめなしとなる。この理不尽な裁断の裏には、幕府の体制を維持しようとする、時の権力者・柳沢吉保と、吉良の嫡男を藩主とする上杉家米沢藩の江戸家老・色部又四郎の采配が働いていた。赤穂藩家老の大石内蔵助は、ただちに軍資金を確保すると、赤穂浪士の同志たちとともに吉良邸討ち入りの機会をうかがう。

レンタカー屋で働く悟はある日、ヤクザの乗ったジャガーに車を追突させてしまう。無理矢理ヤクザの事務所に連れて行かれ、法外な金を要求される悟。だがその時、事務所が突然ガス爆発。奇跡的に生き残った悟は、偶然通りかかった看護婦の静子とともに、事務所にあった2億円を持って逃走する。

横須賀、ドブ板通り。水兵相手のキャバレーが立ち並ぶ一角で売春ハウスを営んでいた一家は、取り締まりで商売が立ち行かなくなり、豚の飼育を始める。そんなある日、幹部から死体処理を頼まれた元客引きの男は、世話をしている豚にその死体を食わせてしまう

中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町に一人で暮らしている。幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、ある事情から家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。温かな支えを胸に、闘いへと飛び込む零。それは、様々な人生を背負った棋士たちが、頭脳と肉体と精神のすべてを賭ける壮絶な闘いだった…。

同じ孤児院で育ち、深い絆で結ばれつつも離ればなれになってしまったシュウとミズキ。そして大人になった2人は、それぞれスナイパーとして裏街道を生き続けていた。 前作同様、哀川翔と竹内力の2大スターを主演に据えた、三池崇史監督のバイオレンスアクションである。しかし本作では、話題騒然となった前作のような、とてつもないラストを期待する観客を、あえて落胆させるかのようなノーマルな展開だ。逆に、三池監督らしいひねくれぶりといえよう。とはいえ、今回もキテレツで猥雑な魅力にあふれたバイオレンスシーンはたっぷりある。天使の羽をつけた主人公2人の勇姿や、謎の殺し屋3人組のキャスティングなど、実は前作以上に遊び心満載の快作である。

小さな町工場の社長が殺され、死体が焼かれるという事件が発生。工場を解雇された元従業員で殺人の前科がある三隅が逮捕されて、自分がやったと犯行を自供。このままでは死刑がほぼ確実と見られていた。すっかりサジを投げた同僚に代わって三隅の弁護を担当することになったエリート弁護士の重盛は、判決をなんとか無期懲役に持ち込もうと懸命に奔走するが、三隅の供述が会うたびに変化して、とんだ迷宮にさまよい込むことになる。

三上於菟吉の同名時代小説を、伊藤大輔と衣笠貞之助が脚色、和田夏十がシナリオ化し、市川崑がメガホンをとった。1935年版に主演した長谷川一夫が、再び中村雪之丞と闇太郎の二役を演じた。その他、山本富士子や若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎など豪華な出演者が顔をそろえた。長谷川一夫300本記念作品。  江戸で興行を張る上方歌舞伎の女形役者・中村雪之丞は、父を冤罪で陥れ自死に至らしめた土部三斎と広海屋の姿を認めた。三斎の娘の浪路は雪之丞に恋をし、雪之丞は彼女を利用して父の仇を討とうとする。江戸の飢饉に乗じて米を買い占めていた川口屋は、雪之丞にそそのかされた広海屋に邪魔され破産、広海屋に放火した。怒った広海屋は川口屋を絞め殺すが、誘拐しようとした浪路に刺されてしまう。

外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す。

池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の女。ネットカフェで寝泊まりする雅子、シングルマザーの結依、主婦の里枝は気が合うが、お互いを店の名前で呼び合う間柄だ。不満を抱きつつも仕事を続ける中、雅子が送迎車の運転手に吐いた暴言をとらえた盗撮映像がネットに拡散される。だが、それを機に雅子の指名が増えるようになる。

ポール・ラシーンは、日本でのビジネスで名古屋に来ていた。仕事が終わったのちに市内の飲食店でキリナという女性に出会い、2人で市内のビジネスホテルに泊まることに。その後すぐポールはホテルを出るが、ポールがエレベーターに乗った直後、間違えてキリナの部屋の鍵を持ってきてしまったことに気づく。 そこでキリナの部屋に戻り、こっそり鍵を返そうとドアを開けると、なんと部屋の中には忍者が数人いて、刀をキリナに向けている。ポールはすぐにフロントへ電話をかけ、キリナを助けようとするが、刀を持っていた忍者に妨害をされ、病院送りとなってしまう。 その後ポールは、度々忍者達に命を狙われることに...。