人との交流が苦手な主人公・宮田駿は、環境を変えるべく上京し下町商店街の弁当屋にてアルバイトを始める。小説家になる夢を叶える為にアタックをかけていた出版社からの結果は芳しくない一方で、気さくで美人な弁当屋の女店主・児玉ゆり子や、バイト仲間の小坂由香、その友人たちに囲まれ、東京での新生活は順調なスタートを切ったように見えた。 しかし、そんな状況も長くは続かない。 ある日、駿は由香と共にゆり子の秘密を知ってしまう。それは、商店街全体を巻き込んだ残忍な計画であった。 行動を起こすことのできない自分達に悶々としつつも、秘密を共有する二人の距離は次第に縮まっていく。その傍で着々と進められていく商店街会長・佐伯とゆり子の計画。 若者二人は、何を感じ、何を見ていたのだろうか。一見平凡な寂れた商店街の中に潜む大人たちの闇と、現代の若者との対比を、皮肉にも冷酷に描いた作品。
敗戦から十数年。占領軍統治下の混迷を抜け、国際社会への復帰をめざし高度経済成長を続けるもう一つの日本。しかしスラム化した首都での凶悪犯罪が激増。武装する反政府勢力により首都圏治安警察機構との武力衝突が相次いだ。治安の番人として強化服と重火器で完全武装する、“ケルベロス”というその精鋭集団は、ゲリラを徹底的に排除してゆくのだった。
フリーターの金子徹平は、朝の通勤通学ラッシュに大混雑する電車で就職面接に向かう際、女子中学生に痴漢と間違えられてしまう。無実の罪を被って示談で済ませるという妥協案を拒み、あくまで濡れ衣を晴らそうとした徹平は、逮捕され、更には起訴されることとなる。そして、徹平と彼の支援者達の長い戦いが始まる。
インディで注目の女性デュオが、付き人とともに全国巡回解散ツアーへ。そんな3人が抱える互いへの一方通行の思いを、小松菜奈、門脇麦のW主演で描く。秦基博、あいみょんの音楽が彩る青春ロード・ムービー。 解散を決めたインディーズの人気女性デュオが、付き人の青年とともに解散ツアーへと繰り出すさまを小松菜奈、門脇麦、成田凌の若手実力派3人の共演で描いた音楽青春ロード・ムービー。監督は「害虫」「黄泉がえり」の塩田明彦。劇中で小松菜奈と門脇麦が“ハルレオ”として歌う楽曲を、それぞれ人気ミュージシャンの秦基博とあいみょんが提供。突然解散を決めた人気デュオの“ハルレオ”。孤独だった2人が出会い、路上から始めて今やライブハウスを一杯にするまでに成長した。そんなハルレオを影で支えていたのが元ホストのローディ兼マネージャー、シマ。順調かに思われた3人の関係だったが、いつしか危うさを孕み始める。そしてついに解散を決意したハルレオは、シマとともに最後の全国ツアーへと旅立つのだったが…。
織田信長(中村橋之助)を暗殺した明智光秀が討伐され、豊臣秀吉(奥田瑛二)が天下を取った時代。超人的な身体能力を武器に金持ちから金品を盗み、貧しき者に分け与える盗賊・石川五右衛門(江口洋介)がすい星のごとく現れ、庶民を熱狂させる。そんな中、五右衛門は盗み出した財宝の中に重大な秘密が隠されている南蛮製の箱を見つける。
武州多摩の百姓の出である土方歳三。黒船が来航し開国を要求した江戸時代末期に、彼は“武士になりたい”という思いを胸に、近藤勇、沖田総司らと京都へ向かう。彼らは徳川幕府の後ろ盾のもと、新選組を結成し、土方は討幕派勢力制圧で多大なる活躍をみせる。
一夜の宿を求めてさまよう蟲師のギンコ(オダギリジョー)は、ようやくたどり着いた庄屋で荷をほどいていると、庄屋夫人(りりィ)が片耳の聴力を失った3人の患者の診療を頼みにきた。そして、患者の耳の穴を覗いたギンコは、そこにカタツムリのような形をした、音を喰う“蟲”が付着しているのを見つけ、駆除に取りかかる。